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ようこそ!ジュリークのピュア旅inアデレード

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木を植えることで、環境をいい方向に変えていく。

植樹が地球にできること

WRITER PROFILE

馬田草織(ばださおり)

文筆家・ポルトガル料理研究家。東京都生まれ。出版社で食を中心に雑誌編集に携わり独立。 食や旅を中心に執筆。素朴で親しみやすいポルトガルの食に魅了され、一般家庭のキッチンからレストランの厨房、ワイナリー等への取材を行っている。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』(産業編集センター・幻冬舎文庫)、『ムイトボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)。料理とワインを気軽に楽しむ会「ポルトガル食堂」を主宰し、定期的な料理会やイベントなどを開催している。

緑の濃淡が、縦横無尽に広がっている。ところどころ水の青や土の茶色も。鬱蒼とした森に囲まれた土地には、川が流れ、貯水池があり、手入れされた畑がいくつも広がっている。はるか上空からドローンで捉えた映像を見ていると、オーストラリア南部のアデレードにある広大なジュリーク農園の敷地は、まるで自然豊かなひとつの村のよう。ときおりあらわれる小さな林をよく見ると、樹々が整然と並んで植わっている。この林は、2011年からスタートしてもう10年以上、毎年冬に行ってきた植樹の成果だという。

緑豊かな土地にも必要な植樹。
なんのため?

ジ地球の温暖化が引き起こす熱波や豪雨、動植物の減少、そして、増え続ける二酸化炭素の放出量。地球全体で森林が大幅に減少し、自然環境の悪化が進んでいることは誰もが知るところ。とは言え、オーストラリアのアデレード周辺に限って言えば、森林面積は非常に広く、動物も植物も多種多様で豊かな土地だ。しかしそんな環境でも、ジュリークは自然を尊ぶ企業として、なにか環境に還元できる事はないかと模索し、その結果、植樹に力を入れることにしたという。そもそも、植樹にはどんな効果があるのだろう。農園で長年CSR活動全般に携わってきた小原圭絵さん(コーポレート ソーシャル レスポンシビリティ マネージャー)に伺ってみた。

「植樹を行うと土地が活性化し、土を健全に保ったり、動植物の生きる環境を整えたり、人間が生み出す炭素を吸収することで地球全体の排出量を削減するなど、多くのメリットがあります。また、具体的にジュリーク農園での植樹は、植える場所により異なる機能を期待しています。たとえば、敷地の境界線に植樹するときは、強風や山火事などを少しでも和らげることができるように、高く成長する木を植えています。農園内の建物の周りには、もしも山火事が来たときに引火しにくいよう、油分の少ない木を植えています。油分の多いユーカリの木は植えません。それ以外の場所では、おもに南オーストラリア由来の木を、毎年20から25種類ほど植えています。土地に由来するたくさんの種類の木を植えることで、農場に生存するあらゆる動物の住む環境を整えることになり、結果的に成長を促し、土の健全化も促せます。今年植える予定の木はアカシア、バンクシア、ブルサリア等がありますが、農園のプラントスペシャリストがその年の植物や動物の状態を見て、バランスを見ながら毎年植える木の種類を決めます」

世界各地から100人以上が集合する
ツリープランティングデー

実際に、年に一度行われる農園内での植樹は、環境について具体的に行動し考えるきっかけを作る大切なイベントとして位置づけられ、毎年各国から参加者を募っているという。

「2011年から毎年行っている植樹の活動日は『ツリープランティングデー』と名づけ、冬に行っています。植林した木が育ちやすいようにあえて雨季に植えるため、雨がふる確率が高いのも特徴です。毎年世界各地から約120名ほどが参加し、各国の社員をはじめ、農園に勤める家族や子供達も一緒に行います」

当日の参加者は、朝からとても忙しいそう。 「全員が長靴、レインジャケット、軍手着用で、朝から農園に集まります。目的のエリアまで広い農園内を徒歩で移動し、これだけでもいい準備運動になりますね。参加者は植林を行う以外にも、周辺の雑草を取ったり、必要以上にカンガルーに木を食べられないようにツリーガードを設置したり、水やりなどを行ってもらいます。午前中にしっかり働いた後はランチをはさみ、午後からはワークショップ。コンポストの作り方を学んだり、ビーズワックスラップ(みつろうラップ)の作成などを体験します。植樹だけでなく、環境にプラスになることを実際に一緒に学んでもらう一日なのです」

日本人研究者のメソッドが世界的人気に。
宮脇方式のミニ森林作り

さらに世界の植樹では近年、日本の植物生態学者である宮脇昭氏の提唱する新しいメソッド「宮脇方式」が大きく注目され、実践されているという。 「『ミヤワキフォレスト』と名付けられたミニ森林づくりです。狭いスペースでも実現可能なアイデアで、その土地由来の樹木に多様な品種の植物を合わせた混植・密植型植樹。すでにアジア各地で1,700以上、ヨーロッパでも、オランダやフランス、ベルギー、イギリスなど各国で多数実施されています。これまで13,000本以上を植林してきたジュリークの農園でも、2021年から近隣のアデレード大学と共同で、都市緑化と生物多様性を迅速に実現するためにミヤワキフォレストを作りました。およそ300㎡のスペースに、南オーストラリア固有の品種の植物を1,000近く植えています。

多品種の木や草をぎゅうぎゅう詰めに植えるイメージです。こうすることでミニ森林の植物は普通の森の約10倍の速さで成長し、100倍の生物多様性を持つと考えられています。また、単一種の植物で構成された植林地に比べると、約40倍のCO₂を吸収できるとも推定されています。わたしたちのミニ森林では、250キロ以上のCO₂を吸収することができると考えられ、これはアデレードからシドニーまで車で移動する際に排出されるCO₂量の相当量に匹敵します」

コンパクトに密集したミニ森林は、実際にどんな手入れをしているのだろう。 「植えた植物がよく育つように雑草を抜き、乾燥している時期に枯れないように水を調整することが大事です。数か月前にグリーンチームで雑草抜きをしたのですが、混沌とした森なので植えた植物と雑草の見分けがつけにくく、なかなか大変でした。植物や木がある程度大きく育てば手入れは必要なくなるので、それまでは大切にお世話をする予定です。このミニ森林は今後10年で成熟を迎える予定ですので、その間に地元の学生や地域団体を迎え入れ、彼らにも宮脇メソッドの経験を共有し、園芸学習のプラットフォームを提供するための学習の場として活用していこうと考えています」

消費者であるわたしには、気軽に森は作れないし、植樹もできない。だからこそ、そういった活動に真摯に力を入れる企業に注目し、賛同の意味を込めて消費活動に繋げていきたいと思う。自然環境を守り、これ以上悪化させないためにできることは何か。それを考えることをやめない企業の取り組みにこれからも注目し、応援していきたい。

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