実は身近な“あの”ハーブ
リコリスはマメ科カンゾウ属の植物。リコリスというと彼岸花を思い浮かべる方も少なくないと思いますが、彼岸花とはまったくの別物。そして“カンゾウ”と聞いてピンときた方はさすが!そう、漢方などでも見かける「甘草」です。古い歴史のあるリコリスですが、私たちにとって実はもっと身近な使われ方をしています。それは・・・甘味料として。リコリスの根の主成分であるグリチルリチンの特長は強い甘味で、学名の語源もギリシア語で「甘い根」という意味の単語からきているほど。 その甘味は砂糖の200倍以上とも言われていて、お菓子だけでなく醤油や味噌、漬物などの甘味料の一部として使用されています。
長く伸びた根は肌のため土のため…
ジュリーク農園では1985年の創業以来「グリチルリチザ」という品種のリコリスを育てています。夏の中頃から終わりにかけて薄紫色のかわいらしい花を咲かせ、その後、種のある赤みがかった鞘をつけます。ジュリークの商品に使われるのは主に根のエキス。この根の収穫はジュリーク農園が冬を迎える6月からはじまります。栄養満点でふかふかな土壌で育ったジュリーク農園のリコリスの根はとても長く、1メートル以上になることも!地中深くまで長く広がって伸びた根は、土壌をほぐして柔らかくしてくれる役割も担っています。私たちの肌にとってだけでなく、健康な土づくりのためにも欠かせない存在です。
根菜類はじっくり時間をかけて
収穫した根は水で洗い、細かく刻んでから農園内の乾燥小屋に移動し、専用の網を張った木製トレーの上へひとつひとつ丁寧に広げて乾燥させます。ジュリーク農園のほとんどの植物にとって最適な乾燥温度は36度くらい。料理でも根菜類は火が通るまでに時間がかかるのと同じように、乾燥に時間のかかるリコリスやマシュマローなどの太い根を持つ植物には45度くらいの高い温度が必要。空気がよどまないように扇風機で乾いた空気を循環させながら、じっくり時間をかけて乾燥させます。冬のはじまりで空気が乾燥するジュリーク農園の6月は、乾燥ハーブを作るのに適した時期。農園スタッフたちは乾燥小屋から漂うハーブのいい香りに包まれながら、今日もリコリスの収穫作業を行っています。